Dトラッカー125で「長めのエンジンブレーキ使用→停止に伴いクラッチを切るとたまにそのままエンストしてしまう」という症状です。
原因は色々考えられるので難しい症状なのですがまずはチェックしておきたい箇所があります。
クラッチレバーの根本にあるクラッチスイッチです!
多くのバイクに装着されているセンサー部品です。
スプリングの力で飛び出ているロッドがクラッチレバーに押される仕組みとなっており、これが押し込まれているのかどうかでクラッチレバーが握られているのか/いないのかをバイク側が判断しています。
社外レバー等に交換する際にこのロッドを折ってしまっている車輌をたまに見かけます(汗)
これまでのバイクですとエンジン始動時にギアが入っている状態(ニュートラルではない状態)でスターターを回してしまうとバイクが暴走してしまうので、その様な状態であればクラッチがちゃんと切られて(レバーが握られて)いるのかどうかも合わせて判断する為の安全装置のひとつ的な意味合いのセンサーでした。
ところが最近のバイクはより高度で細かな制御をする為にもこのクラッチスイッチからの情報を使っていたりします!
Dトラッカー125はアイドリング近辺の燃調の制御にも関わっているようです。
なのでクラッチスイッチが正常な状態ではないと予想外の不具合が起きてしまう可能性があるのです。
またDトラッカー125等の一部の車種はアイドリングの調整機構がありません(アイドルスピードコントロールというシステムでバイク側が自動で制御しています)
簡易的なエンスト症状対策としてアイドリング回転数を少し上げてみるという手法も容易くは出来ないという厄介な組み合わせなのです・・・
右が新品のクラッチスイッチです。
ロッドが折れるとクラッチレバーによって奥まで押し込まれる事が出来なくなるのでバイク側は常に「クラッチレバーは握られている」と判断してしまいます(実際にはレバーを離しクラッチが繋がっているとしてもバイク側はそんな事分かりません)
これでアイドリング~低回転近辺の燃調コントロールが変わり、場合によっては持ち堪えられずにそのままエンストしてしまうという症状を起こしている可能性があるのです。
交換作業も完了し、ひとまずクラッチスイッチ周りは元の正常な状態になりました!
今回はこれで引き続き様子を見てもらいます!