エリミネーター250 修理

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エリミネーター250を修理でお預かりしました!

今回メインとなる整備はヘッドカバーガスケット部からの激しいオイル漏れの修理なのですが、かなり年式の古いバイクですので一筋縄ではいかない雰囲気が漂っております・・・(汗)

オーナー様にも事前にその点について(ボルト折れ等の予定外の追加整備の発生の可能性)のご理解とご協力をいただき、早速整備開始です!

 

シリンダヘッドカバーを開けます!

ボルトの激しい固着等もなくここまではすんなりと進めることが出来ましたので一安心です。

このエンジンはカバーを開けるのに冷却水も抜く必要があります。

 

早速内部の状態を確認してみると・・・(写真では暗くて分かり辛いですが・・・)

ロッカーアームが1本いなくなっています・・・(汗)

これでは2番シリンダーの吸気バルブの片方は押し開かれず3バルブで動いていたということになります・・・

オーナー様から高速道路等でのエンジン出力の違和感の訴えがあったのですが、これが原因のひとつであることは間違いなさそうです。

更に問題なのは肝心のロッカーアームはどこに行ってしまったのかという謎です・・・

シリンダーヘッド上には一切見当たらないのでカムチェーントンネルからエンジン下部へと落下してしまった可能性が考えられます・・・

こちらの車輌はエンジンも問題なく動いており実際に自走されて当店に来店されたくらいなので、どうやら現状は最低限問題のない壊れ方をしているようです。

ただしロッカーアームが1本行方不明になっている状態を確認してしまった以上、さすがにこのままスルーする訳にはいきません(汗)

オーナー様とも急遽相談させていただき、とりあえずはロッカーアームの行方を更に追いかけてみてからその先を考える、という流れとなりました。

 

クラッチカバーも開けてロッカーアームの行方を捜索します!

 

ロッカーアームの残骸を発見しました!

カムチェーンと下部スプロケット(クランクシャフト部の歯車)の僅かな隙間に転がっておりました・・・

幸い粉々になった訳ではなかったので破片は無事に全て回収することが出来ました!

仮に粉砕されてエンジン内部に細かな破片が散らばってしまっていた場合、最悪はエンジンを総分解しなければ全ての破片を回収することが出来なくなってしまいます・・・

しかし破損してからこれまでの間、よくこの安全地帯(?)に留まってくれていたものですね・・・(驚)

 

クラッチハウジングもどかして更に念入りに各部を点検します!

エンジンのケース内部に多少の傷はついていましたがこれまた幸運なことにカムチェーン、上下のカムスプロケット共にダメージは見受けられませんでした!

どちらの箇所ももしあからさまなダメージが見受けられた場合、頭を抱えてしまうようなパーツです(カムチェーン、下側カムスプロケットの交換はほぼ要エンジン総分解)

結局、今回のロッカーアームの脱落によりダメージを受けたのは該当部のカムの一部にエグれ、カムチェーンガイド(前側)の一部破損、ケース内側に傷少々という軽微な被害で済んだようです。

不幸中の幸いといったところでしょうか・・・(汗)

 

新品のロッカーアームを取り付けます!

今回破損してしまった箇所以外のロッカーアームも消耗が激しめです・・・

年式や走行距離を考えると致し方ないところなのでしょうか・・・(汗)

やはり普段からのしっかりとしたエンジンオイル管理は長い時間を経てゆくゆくこういった部分に影響してきますので、本当に大事ですよ!

 

ということでロッカーアームは8本すべて新品交換します!

摺動部に組み付けペーストを塗布してカムシャフトを組んでいきます。

 

バルブクリアランスを調整していきます!

このエンジンは専用の特殊工具が用意されているくらい調整がやり辛い作りとなっております・・・(汗)

規定値もズバリで合わせるのではなく〇〇~〇〇の間に入っていることが確認出来ればOK!のようなノリのようです・・・(笑)

もちろんせっかくの機会なのでやり辛い中でもなるべく狙った数値になるように頑張って調整していきます。

 

無事にヘッドカバーまで装着完了です!

周辺の部品を元通りに組み付け、ヘッドカバー合わせ面やウォーターホース部の液体ガスケットの乾きを一晩待ちます。

 

いよいよエンジン始動、最後にキャブレター同調の調整をして今回の作業は完了です!

やはり古めのバイクは本当にやってみるまで何があるか分かりませんね・・・(汗)

この度はご依頼いただきありがとうございました!